米国が日本との軍事同盟を強化した。すると、中国の意向も受け反対していた韓国が「面子を潰された」と逆切れ。一部の韓国紙は「米国が日本を大事にするのなら、中国と同盟を結ぼう」と書き始めた。
日本の新聞以上に騒いだ韓国紙
韓国が大騒ぎになったのは10月3日。日本の集団的自衛権の行使に対し米国が賛成したうえ、多角的で厚みのある日米同盟の強化を打ち出したからだ。それを鮮明にしたのが日米安全保障協議委員会(2+2)の共同声明だ
朝鮮日報はそれを4日付1面トップで「米国、日本の集団的自衛権の行使歓迎……緊密に協力」と報じた。さらに4日、5日と連日、社説で扱ったうえ、日米同盟強化に関し背景や影響など様々の角度からの特集を組んだ。
中央日報も5日付1面トップの「日米蜜月、試される韓国外交」(注2)で解説したうえ、7日付の社説でも論じた。
日本の新聞の4日付は読売、毎日と産経が1面トップ。ただ、日経は1面4段、朝日が1面3段だった。それと比べると、韓国メディアの異様に大きな扱いが目に付く。韓国人は何をそんなに驚きあわてているのだろうか――。
朴槿恵の二股外交が破綻
中央日報の7日付社説「韓国、経済に続き外交でもサンドイッチ状態」(注3)が本音をのぞかせている。要旨は以下だ。
・米国が日本の軍事力強化をテコに中国牽制に乗り出した。
・韓国は経済で日中に挟まれてサンドイッチ状態になったのに続き、外交でも米日と中国の間に挟まれた。
・韓国はすでにミサイル防衛(MD)問題で、米中間でジレンマに陥っている。
・韓国の外交・安保の立地点が急速に狭くなっている。しかし、政府は適切な対応策が打ち出せていない。
簡単に言えば、米中を両天秤にかけ、双方から利を引き出すという朴槿恵政権の二股外交が早くも破綻した――ということだ。少し常識がある人なら、米中が対立の度を深めている中、二股外交などうまくいくはずがない、と考える。
ところが韓国メディアは「米中双方と良好な関係を築いたうえ、両大国の力を背景に日本と北朝鮮に言うことをきかせる」画期的な朴槿恵外交を称賛してきた。けっこう多くの知識人がそれを信じ込み、日本にやって来ては誇ってもいたのだ。
http://business.nikkeibp.co.jp/article/report/20131022/254888/?P=1
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