元防衛省のドン”守屋武昌氏
防衛装備品調達をめぐる汚職事件で実刑判決を受けて収監され、昨年出所した元防衛事務次官の守屋武昌氏(69)が先月29日、講演を行った。現役時代は、政官界に張り巡らされたネットワークと豪胆な指導力で「防衛省のドン」と呼ばれた。自爆テロ事件で激震する中国の習近平政権について、大規模な地殻変動が起きるという分析を披露した。
注目の講演は「中国から尖閣諸島をどう守るか」と題し、東京・元赤坂の明治記念館で行われた。日本維新の会の平沼赳夫代表代行ら、複数の国会議員も姿を見せた。
ちょうど前日、北京市中心部の天安門広場で、四輪駆動車が暴走して炎上し、死傷者43人を出すテロ事件があったばかり。中国共産党の弾圧に苦しむウイグル族の関与が取り沙汰されていた。
守屋氏は、人民解放軍が中国共産党の軍隊であり、1989年の天安門事件で民主化を求める学生らを虐殺したことに触れて、「中国人はものすごく頭がいいし、優秀だ。(軍が国民の軍隊ではないなどの)不合理に、いつまでもおとなしくしていることはない。遠くない将来、私たちは『歴史の事実』として目撃するのではないか」といい、共産党政権の崩壊を示唆した。
中国は、米国に代わって西太平洋を管理することも狙っている。これは、日本の安全保障だけでなく、日米同盟にとって重大な問題といえる。
守屋氏は、中国海軍が太平洋に進出するためには、尖閣諸島を含む沖縄県・南西諸島周辺か、台湾とフィリピンの中間に位置するバシー海峡を通過しなければならないという地形的制約を指摘し、こう続けた。
「米国は、中国艦船によるバシー海峡通過を探索する装置を必ず持っているはずだ。日本も(最東端で中国船が近くに出没する)南鳥島から、(最西端の)沖縄まで、海をきちんと探知できるシステムを陸海空自衛隊で整えている」「海軍はものすごくお金がかかる。大陸国家で海軍運用で成功した国はない」
つまり、中国の太平洋進出が成功しないとの見方を明らかにし、中国の野望を牽制する日米同盟の重要性を示したのだ。
野党やメディアの中は、中国が尖閣強奪に乗り出した際、米軍が防衛義務を果たさないのではと疑う議論もあるが、守屋氏はこう一蹴した。
「米国の安全保障体制は日本のサポートなしには成り立たない。(米軍に)日本国民の反感がこないようにもしている。韓国とは違う」
http://www.zakzak.co.jp/society/politics/news/20131101/plt1311011534001-n1.htm
http://www.zakzak.co.jp/society/politics/news/20131101/plt1311011534001-n2.htm
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