公明党の山口代表は25日午前、北京市内の人民大会堂で共産党の習近平(シージンピン)総書記と約70分間会談し、安倍首相からの親書を手渡した。
山口氏は、首相と習氏による日中首脳会談の開催を提案、習氏は「ハイレベルの対話が重要で、真剣に検討する。環境を整えていくことが重要だ」と述べ、前向きに検討する意向を示した。
習氏が日本の政治家と会談するのは、昨年11月の総書記就任後初めて。習氏は冒頭、「中日関係が特殊な情勢に直面している中、訪中された。山口氏の来訪を重視している」と述べた。
尖閣諸島(沖縄県石垣市)を巡る問題について、習氏は「(日本との)立場の違いはあるが、対話と協議で解決する努力が重要だ」と述べた。山口氏は「対話を重ねていけば必ず解決できる」と応じた。
山口氏は訪中前、尖閣諸島の領有権を巡る日中の対立を「棚上げ」する案に言及したが、会談では触れなかった。
(2013年1月25日13時33分 読売新聞)
中国共産党の習近平総書記が25日、公明党・山口代表の帰国直前にようやく会談に応じた。その狙いは安倍政権と連立する親中派政党の公明党を取り込むことで「尖閣諸島の主権棚上げ」に向けた日本国内の世論形成である。
先の日米外相会談でクリントン国務長官が尖閣問題での日本支援をより鮮明に打ち出したことが中国の軟化に大きく影響をもたらした。習近平体制は従来の強硬一辺倒から、政治的工作に重点を置いた硬軟両様作戦へ転換するようだ、そのきっかけに利用されたのが公明党の「尖閣棚上げ論」である。
習近平は会談にこぎつけるまで、山口代表をじらしにじらした。会談に先駆けて韓国次期大統領特使とにこやかに会談し中韓関係の緊密ぶりを誇示し日本を牽制した。ギリギリのところで山口代表と会い公明党に大きな恩を売りしたたかさを見せた形だ。
尖閣の主権棚上げ論者である公明党を取り込み、反日メディアを刺激し日本国内で親中派が画策する棚上げ論を拡大し、「領土問題は存在しない」との安倍政権包囲網を形成するのが主たる目的である。
中国共産党は、今月末までに村山富市元首相や加藤紘一元自民党幹事長ら親中派を次々と招く予定だ。親中派の政治家や中国進出企業がひしめく経済界を巻き込みながら日本での棚上げ世論形成の工作をさらに活発化させるだろう。
習近平は山口代表との会談で、日中関係改善に意欲を表明し、安倍首相について「高く評価している。再び首相になって新たな中日関係に大きく貢献することを期待している」とのリップサービスも忘れなかった。
安倍政権も中国新体制トップが歩み寄りの姿勢を示したことを歓迎。自民党の高村副総裁の訪中計画を含めた政治対話を加速させる方針だ。
親中政治家を上手く使いながらも「領土問題な存在しない。棚上げはあり得ない」という基本姿勢は微動だにさせず、尖閣防衛の強化とダイアモンド・セキュリティー構想を煮詰めながら、硬軟織り交ぜた発信をしていく方針のようである。
安倍政権は、日中首脳会談を急ぐ必要はない、習近平を大いにじらせればよいのだ。参議院選をにらみながらいよいよ安倍政権の保守の神髄が試される。
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