安倍晋三首相は30日、平成26年から2年間を目標に第二次大戦末期の激戦地となった南太平洋の島国を歴訪する方針を固めた。現職首相が訪問するのは29年ぶりとなる。日本人戦没者を慰霊し、遺骨収集活動を強化したいとする首相の強い意向によるものだ。来年9月にパラオで開催予定の太平洋諸島フォーラム(PIF)首脳会議への出席も検討している。
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海外における日本の戦没者は、約240万人とされる。このうち、50万人近くがパプアニューギニアやグアム(米領)、ソロモン諸島など南太平洋地域に集中している。いずれも旧日本軍と米軍の激戦地で、現地には日本人戦没者の慰霊碑も多い。
平成17年には天皇、皇后両陛下が「慰霊の旅」としてサイパン島(米領)を訪問された。一方、外務省によると、現職首相で太平洋の島国を訪れたのは、戦没者慰霊を目的に昭和60年にフィジーとパプアニューギニアを訪問した中曽根康弘氏が最後となっている。
安倍首相は26日、首相就任後初めて靖国神社に参拝し、戦没者に尊崇の念を表した。来年からは、戦没者が眠る南太平洋の諸島に複数回に分けて訪問する。
各国訪問の際には、政府開発援助(ODA)供与を表明するなど経済支援も積極的に行う方針だ。PIF首脳会議へは、日本はこれまで「域外国対話」に副大臣級を派遣していた。首相は来年の会議に自らが出席することで、日本の影響力を強めたいところだ。
南太平洋地域では、中国が「中国・太平洋島嶼(とうしょ)国経済開発協力フォーラム」を主催し、各国への経済支援を強化しているほか、中国海軍の太平洋への進出の動きとも連動している。
首相の同地域訪問には、中国の進出を牽制(けんせい)する狙いもみられる。
http://sankei.jp.msn.com/politics/news/131231/plc13123108390003-n1.htm
http://sankei.jp.msn.com/politics/news/131231/plc13123108390003-n2.htm
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